色彩検定という言葉を聞いたことがあるけれど、どんな内容なのかよく分からないという方も多いのではないでしょうか? 「色が好き」「もっとセンスを磨きたい」「仕事に役立てたい」と思ったとき、色彩検定はその第一歩としてとてもおすすめの資格です。
でも実際に調べてみると、UC級や3級、2級、1級といろんなレベルがあって、「どれを受ければいいの?」「難易度は?」と迷ってしまうことも。
この記事では、色彩検定の概要から各級の違い、学習内容、難易度、目的別の選び方までをわかりやすくまとめてご紹介します。
色彩検定とは?どんな資格なのか概要を解説

色彩検定(しきさいけんてい)は、公益社団法人 色彩検定協会(AFT)が主催する、文部科学省後援の色彩に関する公的資格です。色に関する知識や理論を体系的に学ぶことができ、実生活やビジネスのさまざまな場面で役立ちます。
色彩の基本から応用、ユニバーサルデザインに至るまで、色に関するあらゆる知識を段階的に習得できるのが特徴です。
文部科学省後援の公的資格
色彩検定は国家資格ではありませんが、文部科学省の後援を受けているため、信頼性が高く、多くの企業や教育機関でも評価されています。
色彩の基礎から応用までを段階的に学べる
UC級、3級、2級、1級と、難易度や内容が段階的に分かれており、初心者でも無理なくステップアップできる構成です。
仕事や日常生活にどう役立つの?
- ファッションやメイクに活かせる
- 商品や広告の配色設計に役立つ
- ユニバーサルデザインや教育現場でも活用できる
カラーセンスを磨くだけでなく、「理論に基づいた配色提案」ができる力が身につく資格です。
色彩検定の等級別の特徴と学習内容の違い
色彩検定には、UC級・3級・2級・1級の4つのレベルがあり、それぞれ目的や内容が異なります。このセクションでは、等級ごとの学習範囲や特徴を詳しく比較していきます。
UC級(ユニバーサルカラー級)|誰にでも見やすい配色を学ぶ
UC級は「ユニバーサルカラー(Universal Color)」の略で、色覚の多様性に配慮したカラーデザインを学ぶ等級です。
- 視覚に障がいのある人や高齢者にも配慮した色使い
- 配色による情報伝達のしやすさ、アクセシビリティ
- 公共施設や商品ラベルなどのデザインに活かせる
3級|色彩の基本知識と視覚のしくみ
3級は色彩検定の入門レベル。以下のような基礎を学べます。
- 色がなぜ見えるのか
- 色の三属性(色相・明度・彩度)
- PCCSの基礎
- 色と心理・印象の関係
- 配色の基本原則(類似色・補色など)
2級|応用的な配色スキルと活用知識
2級では、3級で学んだ知識をさらに実践的に掘り下げます。
- 視覚の構造
- 照明の基礎
- マンセル表色系
- 色彩調和
- ビジュアルデザインの色彩
- ファッションの色彩
- インテリア、エクステリアの色彩
- プロダクトの色彩
1級|専門性の高い色彩設計とプレゼン力
1級は色彩検定の最上級。実務での応用力とプレゼンテーション能力が求められます。
- 色彩史(日本・世界)
- 各種の色彩調和論
- 光と色の認知について
- 各種の表色系(オストワルト、NCS、XYZ表色系など)
- 色彩心理の評価法
- 配色イメージの立案
- 2級で学んだ各領域の配色設計をより具体的に
- ユニバーサルデザイン
- 配色の実務
色彩検定の難易度は?級別に比較してみよう
「自分にとってどの級がちょうどいいの?」と悩む方のために、難易度や合格率、必要な学習時間を整理してみましょう。
合格率と出題内容の違い
等級 | 合格率(目安) | 出題形式 |
---|---|---|
UC級 | 約85% | マークシート(一部記述) |
3級 | 約70〜80% | マークシート |
2級 | 約60〜70% | マークシート(一部記述) |
1級(1次) | 約40% | マークシート |
1級(2次) | 約20% | 記述(一部実技) |
※年度や受験者によって変動があります。
各級に必要な勉強時間と準備期間
等級 | 推奨勉強時間 | 勉強方法の例 |
---|---|---|
UC級 | 約10〜20時間 | テキスト+模擬問題 |
3級 | 約30〜50時間 | テキスト+模擬問題 |
2級 | 約50〜100時間 | テキスト+模擬問題+配色練習 |
1級 | 150時間以上 | テキスト+実技対策+講座受講 |
色彩検定の試験日・試験時間・受験料
3級 | 2級 | 1級 | UC級 | |
---|---|---|---|---|
実施時期 | 夏期(6月) 冬期(11月) | 夏期(6月) 冬期(11月) | 冬期のみ 1次試験(11月) 2次試験(12月) | 夏期(6月) 冬期(11月) |
検定料 | 7,000円 | 10,000円 | 15,000円 | 6,000円 |
試験時間 | 60分 | 70分 | 1次:80分 2次:90分 | 60分 |
受験資格の制限はなく、誰でもどの級からでも受けることができます。
初心者がいきなり2級や1級を受けるのはアリ?
知識や実務経験がある方なら、いきなり2級から挑戦することも可能です。各級の試験開始時刻は重複していないため、併願して同一日に3級と2級を同時に受験できます。ただし、色彩の基礎を学んでいない場合はまず3級からの受験がおすすめです。
1級は非常に難易度が高いため、多くの人が3級→2級→1級と段階的に受験しています。
自分に合った色彩検定の級の選び方
「色彩検定を受けたいけど、どの級から始めればいいの?」そんな疑問にお答えするセクションです。目的別におすすめの級をご紹介します。
まずはUC級 or 3級から始めるのがおすすめ
- 色彩学習が初めてなら3級がおすすめ
- 色覚バリアフリーに興味があるならUC級
- 独学でも合格できる手軽さ
気軽に始められる内容なので、まずは「色を学ぶ楽しさ」に触れてみたい方に最適です。
仕事に活かしたいなら2級〜1級を目指す
- 商品企画、販売促進、広告業界で働く方
- 建築・インテリア・空間デザインを学ぶ学生
- 実務に即した配色スキルが求められる職種の方
プロとして信頼される色彩提案ができるレベルを目指したい場合は、2級以上を検討しましょう。
将来的に色彩の専門家を目指したい人へ
- 色彩講師や専門家として活動したい
- デザインのリーダーとして提案・監修ができるようになりたい
そのような方には1級の取得が目標になります。実技や論述力が求められるため、早めに対策を始めましょう。
まとめ|色彩検定で色の知識をステップアップしよう
色彩検定は、「色が好き」という気持ちをスキルに変える素晴らしいステップです。
3級やUC級で色彩の基本を楽しく学び、2級や1級で専門性を高めていくことで、日常生活にも仕事にも活かせる「一生使える知識」が手に入ります。
自分の目的に合った等級から、ぜひチャレンジしてみてください。色の世界が、きっとあなたの未来に新しい彩りをもたらしてくれますよ。