色彩資格

色彩検定3級と2級の併願は可能?同時合格を目指すために必要なこと

色彩検定3級と2級の併願は可能?同時合格のために必要なこと

「色彩検定を受けたいけれど、3級と2級を一緒に受験できるの?」「併願すると難易度は上がる?」「どうやって勉強すればいいの?」といった疑問を持つ方は多いでしょう。

とくに、仕事や趣味で使える色彩知識を一気にレベルアップしたい!時短・タイパ重視!と考える方にとって、併願は魅力的な選択肢です。しかし、やみくもに挑戦すると学習負担が増え、結果的にどちらも中途半端になってしまうリスクも。

この記事では、色彩検定3級・2級の併願について、ルールやメリット・デメリット、効果的な勉強法まで詳しく解説します。読み終わるころには、自分にとってベストな受験計画を立てられるようになりますよ。

色彩検定3級・2級の基礎知識と難易度の違い

まずは、3級と2級それぞれの特徴を理解することが大切です。このセクションでは、出題範囲や合格率など、基礎的な情報を比較しながら整理します。

3級の出題範囲と特徴

色彩検定3級は、色彩の基礎理論を幅広く学べる入門レベルの資格です。

主な出題内容

  • 色がなぜ見えるのか
  • 色の三属性(色相・明度・彩度)
  • PCCSの基礎
  • 色と心理・印象の関係
  • 配色の基本原則(類似色・補色など)

3級は「色彩って楽しい!」と感じるきっかけを作る内容が多く、初心者でも親しみやすいのが特徴です。

合格率:おおむね70〜80%と高めで、独学でも十分合格を狙えます。

2級の出題範囲と特徴

2級は3級の内容をベースに、より実践的な知識を深めるレベルです。

主な出題内容

  • 視覚の構造
  • 照明の基礎
  • マンセル表色系
  • 色彩調和
  • ビジュアルデザインの色彩
  • ファッションの色彩
  • インテリア、エクステリアの色彩
  • プロダクトの色彩

2級は「色を仕事に活かしたい」「提案ができる知識を持ちたい」人に適しています。

合格率 約60〜70%。3級に比べて専門性が高いため、勉強時間も増えます。

難易度・合格率の比較

等級合格率難易度
3級約70〜80%基礎レベル
2級約60〜70%応用レベル

3級と2級を併願する場合、両方の範囲を把握して学習を進めることが大切です。合格率はあくまで参考値であり、計画を立てて勉強すれば誰でも十分に合格を狙えます。

3級と2級を同時に受験できる?併願の仕組み

「併願って実際できるの?」と心配な方も多いはず。この章では、公式ルールや申込み方法、受験の流れを説明します。

色彩検定の併願ルール

結論としては、色彩検定は3級・2級・1級・UC級の受験を同じ試験日に併願できます。たとえば3級と2級を同時に申し込んで、1日に両方の試験を受けることが可能です。

色彩検定の試験は、夏期(6月)冬期(11月)の1年に2回実施されます。ただし、1級は冬期のみの実施で、11月に一次試験、さらに一次試験合格者は12月に二次試験を受けます。

  • 夏期(6月):2級・3級・UC級
  • 冬期(11月):全級
  • 12月:1級二次試験

つまり、3級と2級の併願受験は、夏期試験でも冬期試験でも可能です。

申し込み方法と注意点

申込みは公式サイトまたは協会指定の窓口で行います。併願する場合、それぞれの受験料を支払う必要があります。

受験料(税込)

  • 3級:7,000円
  • 2級:10,000円

申込の時期

試験の申し込みは、夏期も冬期も実施の約3ヶ月前ごろから受付がはじまり、1ヶ月前ごろに締め切られます。余裕を持って公式サイトを確認しましょう。

重要

併願の申し込みは一回でおこなってください。3級を申し込んだあとに、やっぱり2級も受験したいと思って追加で申し込んだ場合は、受験会場が別々になってしまう恐れがあります。

同時受験の流れとスケジュール

試験当日は、3級と2級を別々の時間に受験します。例年、3級が午前、2級が午後に実施されることが多いです。

【例】

  • 午前:3級(60分)
  • 午後:2級(70分)

たとえば、2025年の冬期試験は「3級」が10:00~11:00、「2級」が12:00~13:10の実施です。試験のあいまに軽く食事を摂ってリフレッシュしながら、2級試験に向けた簡単なおさらいをしましょう。

ちなみに、UC級は2級試験のあとに実施されます。UC級まで同日で併願することもできます。

3級・2級を併願するメリットとデメリット

併願は効率的に資格を取得するチャンスですが、一方で負担も増えます。このセクションでは、メリットとデメリットを整理します。

併願することで得られるメリット

  • 短期間でスキルアップできる
  • モチベーションが高いまま一気に学べる
  • 勉強範囲の共通部分を効率的に学習できる

「色彩をすぐに仕事に活かしたい」と考えているなら、併願はおすすめです。色の知識を一気を学ぶことで全体的な理解が深まりやすく、学んだ内容をさっそく実践に活かせます。

注意すべきデメリットとリスク

  • 学習負担が増え、準備不足のリスクがある
  • 集中力や体力が切れやすい

「色彩を趣味に活かしたい」「無理なくゆっくりステップアップしたい」と考えている方、あるいは完全にゼロから色について学ぶ方にとっては、併願よりも単願のほうが適しているかもしれません。

試験まで1ヶ月ほど(受験申し込みできるギリギリ)しか時間がないなら、併願すると3級・2級ともに準備不足になってしまうリスクがあります。

たとえば、「併願したいけれど次の夏期試験まで日数が足りないかもしれない…」という状況なら、冬期試験で挑戦することも考えてみてください。

無理なく挑戦するために、自分の生活リズムと相談しましょう。

同時合格を目指すための効果的な勉強法

併願する場合、共通部分を効率的に学びながら、2級の応用範囲をきちんと積み上げることが重要です。

効率的に学習するスケジュールの立て方

3ヶ月計画例

  • 1ヶ月目:3級を重点的に学び、2級にも触れる
  • 2ヶ月目:2級の学習を進め、3級のおさらい
  • 3ヶ月目:両方の問題集を解く・総復習

2級の内容は、3級の知識をベースにしています。したがって、3級の内容をしっかり身につけることが併願合格のカギです。

最初の1ヶ月は、3級の公式テキストを中心に読み込み、余裕があれば2級も少しずつ読み進めましょう。

2ヶ月目は、2級の内容をしっかりと把握しながら、3級のテキストを読んでおさらいする習慣を続けます。

3ヶ月目は、過去問や問題集を解いて試験慣れしていきましょう。実際の試験時間と同じように、3級は60分、2級は70分を計ってチャレンジしてください。

3級・2級の共通範囲と違いを把握する

3級では、色とは何か、色の役割、色の三属性や色相環などの基礎知識、混色、色彩心理効果、PCCSの配色ルール、ファッションやインテリアにおける配色を学びます。

2級では、照明の種類、マンセル表色系、色彩調和論、デザイン、ファッション、プロダクト、インテリア、エクステリアの配色についてを学びます。

3級で学ぶ色の基礎知識がしっかり理解できていると、2級の色彩調和論も各領域の配色も、学習が進みやすいです。

また、3級では表色系のPCCSについて学び、2級ではマンセル表色系を学びます。すこし具体的な話をしますと、表色系とは「色を整理するしくみ」のことで、色を並べて番号・記号を振って、人に伝えやすくした枠組みです。

PCCSにはPCCSの記号や番号があり、PCCSに基づく配色ルールと用語があります。マンセル表色系にも、固有の番号があります。

したがって、3級と2級を同時に勉強するなら、特にこの表色系ごとの番号や用語の違いをおさえておくことが重要です。

おすすめのテキストと問題集

  • 公式テキスト(3級・2級それぞれ)
  • よくわかる色彩検定対策問題集
  • 過去問題集

公式テキストは必須です。また、日本色研による配色カードも準備しましょう。色彩検定の過去問や模擬テストは書店にたくさん並んでいます。イラストや写真の解説が多いものを選ぶと、理解が進みやすいです。

モチベーションを維持するコツ

  • SNSや勉強仲間を見つける
  • 学んだ内容をノートやインスタに記録する
  • 合格後の自分をイメージする

勉強仲間を見つけたり、学んだ内容を記録するのも効果的。でも、モチベーションを維持する一番のコツはズバリ、モチベーションについてあまり考えすぎないこと。

「疲れていて、なんだか今日は勉強する気が起こらないな…」という日もあるでしょう。「でもモチベーション高めて勉強しないと…」と考えながらする勉強は、あまり効果的とは言えません。そんなときは、思い切って好きなことをしてリフレッシュしてください。

試験を終えて合格証を受け取ったあなたは、きっと笑顔で喜んでいます。その笑顔と、仕事や趣味で自信を持って色を活用している自分の姿をイメージするだけで十分。「頑張らないと」というプレッシャーは捨てて、輝く自分を想像しながらテキストを開きましょう。

効果的な勉強法(大切)

個人的に一番大事だと思う勉強法は、テキストをひたすら読むことです。

そのとき、まず目次からしっかり読み込んでください。目次を読むことで、「この本に何が書かれているのか」が整理されます。

さらに黙読で読み進めながら、余裕があればぜひ音読でも読んでみてください。家や職場で、誰かがいて気になるという方は、ひとりになれる環境でやってみましょう。

音読は、黙読よりもはるかに頭に残ります。このとき、ただ文字を追いかけるのではなく、誰かに伝えるような意識で読みます。1日で全部読み切ることは難しいですから、項目ごとに分けて読んでください。そして、理解できていないなと感じるところは、重点的に読みましょう。

そうやって読み進めながら、スキマ時間に配色カードを使ってカラーコーディネートの練習をしましょう。

よくある質問(FAQ)

ここでは併願に関する疑問に答えます。

初心者でも2級を併願して大丈夫?

基礎を早めに固めれば問題ありません。ただし、全くの初心者は3級を先に受けるほうが安心です。

併願した場合の合格率は下がる?

学習量が増えるため負担は増しますが、しっかり準備すれば3級・2級ともに合格率は単願と大きく変わりません。

合格後はどんな活かし方ができる?

配色の基礎から応用まで学べるので、仕事や趣味に幅広く活かせます。履歴書に書けるのでキャリアの強みになります。

まとめ|3級・2級の併願でステップアップを目指そう

色彩検定3級・2級の併願は、色彩の基礎と応用を短期間で学べる魅力的な方法です。しっかり計画を立てて、集中して挑戦すれば、きっと合格は夢ではありません。3級と2級の同時合格を目指すために特に必要なことは、「試験日まで余裕を持ったスケジュール設定」と「テキストをしっかり読み込むこと」の2つです。

あなたの「色を学びたい」という気持ちを大切に、一歩を踏み出してみてください!きっと未来に素敵な彩りが加わりますよ。

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